化学組成

ダイヤモンドの美しさの最も深い秘密は、その化学組成と結晶構造の組み合わせにあります。

ダイヤモンドは鉱物、つまり無機物(生命を持たない、また持ったことのない物)です。

各種の鉱物は独特の化学組成もしくは組成の狭い範囲があります。

含まれている様ざまな種類の原子で示し、原子の相対量を数字で特定する式でこれを表現できます。

これを各鉱物の原子「処方せん」と考えることができます。

言うまでもなく、いずれの鉱物試料も原子の実際の数は大きさに左右されます。

20カラットのダイヤモンドには、1カラットの石よりはるかに多くの原子があります。

しかし大きさにかかわらず、原子式は包含する原子の周囲およびその比率を表しています。

たとえばコランダム(ルビーやサファイアを含む鉱物種)の化学式はAl2O3です。

まずAlはアルミニウム、Oは酸素を示す記号で、すなわち純粋なコランダムはアルミニウムと酸素でできています。

さらに数字はアルミニウム原子2個につき酸素原子3個が含まれていることを示しています。

(純粋なコランダムは純粋なダイヤモンドと同様、無色です。ダイヤモンドと同様に、通常の化学式の一部ではない微量の異なった不純物元素により異なった色が生じます。)

ダイヤモンドの化学式はただのCです。

ダイヤモンドの化学式はただのCであり、ダイヤモンドが炭素原子のみでできていることを意味します。

1種類の元素のみで構成された鉱物は他にもありますが(たとえば金、銀、プラチナ、ひ素、硫黄)、1種類のみで構成された宝石はダイヤモンドだけです。

結晶 INDEX: